タイでは蟻の卵を食べる習慣がある。
赤蟻と呼ばれるツムギアリで、
木に巣を作り2月から5月にかけて卵を産む。

出典 Wikipediaより
3ヶ月の間にしか食べれない貴重な食材で、
スープに入れたり、卵焼きにしたり、
サラダにしたりと幅広く利用される。
初めてタイを訪れた時に、
義理の兄が住むファーンの街で
初めて蟻の卵を食べた。
ファーンの場所は
チェンマイから北へ150㎞
バスに揺られて約3時間のところ
日本の原風景が残るのどかな街である。
西側の山岳部はミャンマーとの国境になっていて、
田舎のようでもあるが国道沿いには、
大規模な商業施設が立ち並んでいる。
国道107号線から山岳部に向かって
奥へ約10㎞入って行ったところに小さな村がある。
ここに私の奥様のお兄さんが住んでいる。
私達が訪れたのは2月の終わりごろ
まさに蟻の卵の捕獲時期である。
蟻の卵を私に食べさせるということで
蟻の卵を獲る事になった。
庭に生えている木の周りにビニールシートを敷いて、
長い竹の棒で巣を突く。
次々と蟻と卵が落ちてくる。
私も棒を持って手伝った。
何も知らない私は、
夢中で棒で突いていたら背中がむず痒い。
木の上から落ちてきた蟻たちが、
私のTシャツに張り付いている。
日本の黒い蟻よりも大きい赤い蟻が、
首筋から中へ入り、
胸元や背中を容赦なくかじってくる。
これがとんでもなく痛い。
痛くて蟻の卵獲りどころではなくなった。
足は痛いは、背中は痛いは、
胸やお腹が痛いはで一人でもがいていた。
それを見ていた近所の人達が大笑い・・・
服を全部脱いでシャワーを浴びる事で
蟻たちを洗い流してやっと治まった。
それにしても狂暴な赤蟻たちである。
そんな赤蟻の卵を、
サラダと卵焼きにしていただいた。
カイ(たまご)モッ(蟻)デーン(赤い)
と呼ぶイサーン料理
卵のサイズは1㎝弱の大きさで、
食べると「プチッ」とはじけ
中から濃厚な栄養素が口の中に広がる。
味は白子を食べてるような感じでほんのり甘い。
痛い思いをして食べた赤蟻の卵は、
私にとっては忘れられない味わいだった。
この時期、
タイの至る所で蟻の卵が売られている。
バンコクではあまり見かけないが、
イサーンに行くと市場でよく見かける。
一山で30バーツくらいで売られていた。
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