タイ米で作るチャーハンは激うま

 

 

タイの海軍基地があるサタヒップ、

タイ有数の港でもある。

 

 

パタヤと隣接しているが、

海はパタヤとは比べ物にならないくらいにきれいだ。

 

外国人の観光客はほとんど来ない隠れスポット。

 

 

 

タイでは「サッタヒープ」と呼ばれ

「七つの島」を意味する。

島はすべて海軍が管理している。

 

 

実は、このサタヒップは、

私の奥様の生まれ故郷で、

幼少時代から学生時代までをここで過ごした。

 

家族はサコンナコーンに移り住んだが、

一人この地に残り学生寮に入り暮らしていた。

 

そのため顔見知りが多く、

検問や海軍施設の立ち入りなどは問題なくパスできた。

 

 

私とタイに行ったときに、

奥様の生まれ故郷を案内するという事で、

3日間をサタヒップで過ごした。

 

海沿いのホテルを知り合いに用意してもらい、

パタヤとは違う味わいを満喫した。

 

 

 

軍関係者が多いためか、

時間に厳しく屋台など夜遅くまで営業していない。

 

夜の9時頃になると、

営業している店がほとんどない。

遅くまで営業しているのはコンビニくらいだろう。

更に、屋台ではアルコールを出さない。

 

タイにいるのに全然タイらしくない街である。

 

夕方お腹が空いたので、

街を探索に出かけた。

 

 

セブンイレブンのあるにぎわったところが、

唯一屋台がでているところ、

それ以外は屋台は出ていない。

 

すると、客付きの良い屋台があり、

見てみると女性二人が切り盛りしている。

 

 

炒め物系は何でも作れるらしく、

二つの中華鍋を使って息の合ったコンビが、

手際よくバジル豚肉炒め(パットガパオムー)を作っている。

 

片方の中華鍋でニンニクと唐辛子をいれ、

豚肉を炒め野菜を加える。

 

ナンプラーやオイスターソースを絡めていく。

片方の中華鍋で目玉焼きを作る。

 

その間持ち帰り用のパックに、

ご飯を盛り付けスタンバイ。

 

あっという間にガパオライスが出来上がる。

所要時間は約3分、実にお見事である。

 

 

 

私はチャーハン(カオ・パット)を頼んだ。

一人が材料をカットしている。

 

もう一人の女性が鍋に油を注ぎ玉子を入れる、

間髪入れずにカットした材料を加える。

 

 

さっきまで材料をカットしていた女性は、

鍋でタイ米を炒めだした。

すぐにポジションが入れ替わり、

炒めた材料とタイ米がミックスされ更に炒める。

 

その間パックを用意してナムチム(タレ)も準備完了。

 

鍋から大きなお玉でかき出して、

出来上がり、所要時間約4分。

 

 

 

息の合った絶妙な鍋使いの女性、

心の中で拍手した。

 

コンビニでビールを買い、

早速ホテルに持ち帰りいただいた。

 

 

「うまい!」の一言

強火で一気に炒めるので米一粒一粒が際立っている。

 

味付けも抜群、

タレも最高、言うことなし。

 

 

仕上げにビールでのどを潤す、

「あ~満足、満足」

 


タイ料理の脇役だが味は主役のナムチム

 

足し算の料理と言われるタイ料理。

 

そのタイ料理に、

アクセントを添えるタレやソースを「ナムチム」という。

 

 

豊富な種類のタイ料理に出されるナムチムも、

沢山の種類があり十人十色の味がある。

 

例えば、シーフードに合うナムチム

基本はナンプラーを使わない、

生臭さが強くなってしまう。

 

 

ムーガタ(焼肉)やチムチュム(肉の鍋)
ガイヤーン(鳥の炭焼き)ムーヤーン(豚の炭焼き)
ガイトーツ(鳥の唐揚げ)(プラ―ヤーン)焼き魚など、

その食材に見合ったナムチムが提供される。

 

 

我が家のタイの奥様のナムチムを紹介しよう。

 

 

材料に使うのはニンニク、唐辛子、パクチーの根。

クロック(タイの臼)の中にこれらを入れ、

サーク(すりこぎ棒)で細かく叩きつぶす。

 

※クロックとサーク

 

 

そこに、ナンプラーとレモンと砂糖を少々入れ、

スプーンでかき混ぜ量を調整しながら味を整え出来上がる。

 

本場タイイサーンのナムチム、

酸っぱい、辛い、甘いが調和している。

 

ガイヤーンやムーヤーンにピッタリの付けダレである。

 

 

付け合わせに出されるキャベツやレタス、パクチーなども、

このナムチムに付けて食べると美味しい。

 

サコンナコーンでは「ナムチムジェーオ」がよく出された。

 

 

 

 

タマリンドペーストにナンプラー、唐辛子、パームシュガー、レモン、

そしてカオクア(炒り米粉)が入る。

隠し味に味の素を少々入れる。

 

意外と何にでも合う味だが辛い、

カオニャオによく合うナムチム。

 

 

奥様の好きな生エビ、

よくゴーヤとニンニクスライスを乗せて食べる。

 

生エビに出されるナムチムにはナンプラーを入れない。

8分の1にカットしたキャベツの皮を一枚剥いて、

ナムチムをたっぷり付けた生エビを乗せる。

 

 

生エビは背ワタを取り除いて開いてある。

 

その上に輪切りのゴーヤとニンニクスライスを乗せ、

好みでミントも加える。

 

キャベツに包んで口の中に放り込む。

焼肉をサンチュに包んで食べるイメージ。

 

口の中が幸せいっぱいに広がる。
名残惜しむように喉に流し込む。

 

 

何とも言えない後味、

余韻がまだ残っているうちにビールを流し込む。

 

想像しているうちに、

よだれが出てきてしまった(笑)

 

 


イサーンのパンチが効いたソムタム

 

タイの東北地方をイサーンと呼び、
メコン川沿いに発展した北イサーンと
タイシルクの生産が盛んな南イサーンとに分かれている。

 

 

イサーンには有名な郷土料理が多く、
ガイヤーン(鳥の炭火焼き)やソムタム(青パパイヤサラダ)
ラープムゥー(豚の肉を細かく刻んだサラダ)などがある。

 

その中でもソムタムは、
私がサコンナコーンに滞在中、毎日のように食べた料理。

 

 

 

 

私が見てきたソムタムの作り方を簡単に紹介しよう。

 

 

クロックという茶色い素焼きの臼に、

プリック・キー・ヌー(激辛唐辛子)と

ニンニクとトマトをカットして入れ、

サーク(すりこぎ棒のようなもの)で叩き潰す。

 

 

そこにプラ―デック(醗酵魚)をスプーンで少々、

ナンプラーとパームシュガーと味の素も少々、

レモンをカットして絞りそのまま放り込み、

タマリンドを加えベースが出来上がる。

 

そこにカットした、

マラゴー(青パパイヤ)をいれよく混ぜ合わせる。

 

独特の風味が食を誘う。

 

 

主食はカオニャオ(もち米)で、

ソムタムはおかず、

付け合わせにきゅうりやキャベツ、

タイミントやタイの空心菜が出る。

 

 

その味は激辛の酸味のきいた、

歯ごたえの良い食感、塩味も効いている。

 

カオニャオ(もち米)によく合い、

辛さをしのいでくれる生野菜やハーブがありがたい。

 

昔のイサーン地方は土地がやせていて、

食物が育ちにくい地域だった。

 

保存方法の一つに、

川や田んぼの用水路などで捕れる小魚を、

塩漬けにして醗酵させ調味料として使われてきた。

 

それが、プラ―デック(醗酵魚)

 

同じように、

田んぼや用水路などで捕れる蟹を

塩漬けにしたものがプードーン(醗酵蟹)

 

ソムタムに魚を入れるとソムタムプラ―デック、

蟹を入れるとソムタムプードーンと呼ばれる。

 

 

醗酵魚と醗酵蟹を入れたのが

ソムタムプーパラーになる。


タイの極辛唐辛子 その名は「プリック・キー・ヌー」

 

イサーン料理の特徴は辛みが非常に強い事で知られる。

その辛みを生み出すのがプリック・キー・ヌーである。

 

 

 

プリックは唐辛子
キーは糞
ヌーはネズミ
直訳するとネズミの糞のような唐辛子である。

 

長さは2~3㎝でカロチンを含み、

またビタミンCも多く含まれる。

 

緑が極辛で、赤は普通に辛い。

 

見た目は小さいのだが、

唐辛子に含まれるカプサイシンの割合は想像以上である。

 

 

カプサイシンの割合を示すスコヴィル値は、
日本の鷹の爪で40.000~50.000SHU
プリック・キー・ヌーは50.000~100.000SHU
ちなみに有名なハバネロは200.000~450.000SHUである。

 

木立唐辛子の種類で沖縄の島唐辛子や、

タバスコの液料となるタバスコも同じ種類である。

 

タイ料理には必ず使われるプリック・キー・ヌー。

 

代表的な料理にトムヤムクンやグリーンカレーがある。

 

 

 

グリーンカレーの緑色は、

プリック・キー・ヌーの緑の色である。

 

プリック・キー・ヌーを輪切りにして、

ナンプラーに入れるとプリックナンプラー、

同じく酢に入れるとプリックナムソム。

 

 

タイで食事をするところには

必ずテーブルの上に置いてある。

 

麺料理(クイティアオ)にお好みで味付けをすると、
パンチが効いた自分のオリジナル麺が味わえる。

 

タイ米のチャーハンに少し振りかけると、

何とも味わい深い辛いチャーハンになり食が進む。

 

我が家でも欠かせない調味料で冷蔵庫に常備されている。

 

 

また、冷凍保存が効くので冷蔵庫の冷凍室には、

袋に入った大量のプリック・キー・ヌーが入っている(苦笑)

 


タイのスイーツ「カオラーム」は小腹に最高

 

 

市場や屋台で売られている「カオラーム」

チェンマイやイサーンで多く見かけるが、

今はタイの各地で売られている。

 

 

カオは米、ラームは竹という意味、

「竹筒入り蒸しもち米」である。

 

ことば通り、竹に米を入れて蒸し焼く

タイで昔からあるお菓子、またはおやつである。

 

材料は、もち米と黒豆と

ココナッツミルクだけのシンプル料理。

 

作り方はもち米を洗って1日置いておき、

黒豆も洗って1日置いておく。

 

 

1日置いたもち米と黒豆を、

ココナッツミルクと一緒に合わせ、

塩少々、パームシュガーを加え竹の筒に流し込む。

 

バナナの葉や竹の葉や藁で栓をして、

炭火に立ててじっくりと蒸し焼く。

 

 

 

栓から出る蒸気の加減で

竹筒を炭火から取り外し蒸しておく。

 

作る人や地域により味は様々である。

 

サイズもS、M、Lと竹の太さにより値段が違う。

 

 

 

私が食べたのは、

サコンナコーンのムアンの役場前で、

Sサイズの細い物だった。

 

 

3本で20バーツ

市場などではその場で焼いたものを買うことができるが、

多くは焼いたカオラームを、

自転車やバイクのかごに入れて売り歩く。

 

 

人が多くいる場所を選びながら、

移動しながら売り歩くのが基本である。

 

手が汚れないように、

焦げた竹の部分はナイフでそぎ落とし

表面をきれいにしてからナイフで割れ目を入れてくれる。

 

食べるときは竹を裂いて中身を取り出し食べるが、

竹の裏の皮も一緒にくっついている。

 

 

 

 

私の奥様はその皮が付いてないと美味しくないと言う。

 

早速食べてみると、

あっさりした甘さに竹の香りがミックスされ驚きの旨さ。

 

あまりに美味しかったので、

奥様に頼んで追加で買ってもらった。

 

スイーツ感覚でいくらでも食べられるカオラーム。

 

小腹が空いているときなどに最高のおやつである。

 

 


タイの香味野菜の効能のすごさ

 

 

 

私の家庭で週に何度か食卓に並ぶタイ料理、
沢山のタイの香味野菜が使われている。

 

12年以上もタイ料理を食べてきた結果、
年に一度の健康診断ではすべてが正常値である。

 

体調が少し思わしくないときなどは、

奥様にタイ料理を催促する。

 

タイの香味野菜には

どのような効能があるのか調べてみた。

 

パクチー(コリアンダー)

 

根・茎・葉・種などは、すべて薬味として料理に使われる。

 

βカロチン、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2が含まれ
消化促進や解毒作用の効果がある。

 

我が家では生のまま食べる事が多い。

特に根の部分は栄養があるからと強制的に食べさせられる。

 

春雨を使ったサラダ(ヤムウンセン)や

トムヤムスープの薬味として出される。

 

 

タイ生姜(カー)

 

 

日本語でナンキョウと呼ばれ、

ピリッとした辛みと強い香りがする。

 

日本の生姜よりも硬く、薄切りにしてスープに使ったり、
千切りにしてネーム(イサーンのソーセージ)と一緒に食べたり、

 

 

 

 

また細かくすり潰してカレーペーストに使用される。

 

 

ビタミンA、ビタミンC、鉄、

食物繊維、炭水化物などが含まれる。

整腸、解毒作用、抗ガン作用があるとされる。

 

タイ生姜を使った料理にトムヤムスープや
クンオップウンセン(海老と春雨の土鍋蒸し)などがある。

 

バイマックルー(こぶみかんの葉)

 

 

爽やかな強い香りがあり、
葉は硬いためスープと一緒に煮込むなど、

風味付けとして用いられる。

トムヤムスープやカレーなどには必ず入っている。

 

 

ビタミンC,ビタミンA、ビタミンBを多く含み
抗酸化作用、消化作用、血行促進、抗ガン作用がある。

 

 

レモングラス

 

 

レモンを嗅いだような爽やかな香りがする。
タイの道端には自然に生えている。

 

 

カリウム、カルシウム、鉄分などが含まれる。

 

スープと一緒に煮込んだり(トムヤムスープ)、
細かくスライスしてサラダに入れたり(ラープムゥー)

乾燥させてハーブティーにして飲んだり、
お風呂に入れて香りを楽しみながら美肌効果を実感したり、
虫除けに使ったり何にでも使える万能ハーブでもある。

 

消化促進、鎮静促進、抗ガン作用、抗菌・殺菌作用がある。

 

ホムデン(赤わけぎ)

 

 

赤玉ねぎに似ているが全くの別物、

シャロットとネギの雑種である。

 

独特の香りと風味がありサラダ料理には欠かせない。

 

カロチン、ビタミンCを多く含み
血栓症の予防、下痢止め、咳止め、

利尿作用、消化促進などの効果がある。

 

 

 

そのままスライスして食べたり、

煮る、蒸す、炒めるなどすべての料理に使われる。

 

ホムデンを使った料理にヤムウンセン、ラープムゥーのほか、

トムヤムスープやカレーペーストにも使われる。

 

 

 

これらのタイの香味野菜を使って

美味しいタイ料理を作ってくれるタイの奥様のおかげで、

私は健康を維持できているような気がする。

 

日本に居ながらタイのイサーン料理を、

食べている私は本当に幸せ者だと思う。

 


激旨!イサーンのネーム

 

タイを大きく分けると
北部、東北部、中部、南部と四つに区切られる。

 

その東北部をイサーンと呼ぶ。

 

イサーンには多彩な料理があり、
刺激的な味付けが有名である。

 

蒸した長粒種のもち米を主食として、
食事に生野菜やハーブを必ず盛り合わせて食べる。

 

数あるイサーン料理の中にネームがある。

 

 

ニンニクを潰して、塩、白胡椒少々、
洗って乾かしたもち米と一緒に
小さいクロックヒン(石の臼)で細かく砕く。

 

 

豚の肩ロースを包丁でミンチ状に叩き、
豚皮をスライスしてすべて一緒に混ぜる。

 

ステンレスのボールの中に入れて、手で揉み続ける。

 

20~30分くらいで、
ミンチ状の肉が弾力のあるソーセージのようになる。

 

それを食べやすい大きさに分け

バナナリーフ(バナナの葉)に巻いて

一晩ねかせて発効を促す。

 

 

 

食べるときはそのままでも大丈夫だが、

炭火でこんがり焼くと更に美味しさが増す。

 

私の奥様の姉の子供が私達に作ってくれた。

気温が低いとうまく作れないらしい。

 

イサーン独特の

乾燥した暑さでないと美味しく出来ない。

 

私達のために一生懸命手でこねている。

その間タイの七輪に炭をおこしていた。

 

出来上がると炭火でさっと焼いてくれて

キャベツと紫玉ねぎのスライス、

タイ生姜、タイ唐辛子と一緒に出してくれた。

 

 

 

一晩おいてないので発酵されず酸っぱさはない。

 

独特の香ばしさと深みのある味、

豚の皮が良いアクセントになり口の中で混じり合っていく。

 

 

そこに千切りにした生姜と

紫玉ねぎのスライスを口の中に放り込む。

「おぉ~」

激旨である。

 

刺激が欲しいときは唐辛子をかじる
激旨の激辛で口の中が燃え始めた。

 

そこにタイのリオビールを流し込んで口の中を鎮める。

 

あ~、辛い

この唐辛子はタイで有名な

極辛プリッキーヌーである。

 

でも、また食べたくなる不思議な味だ。

 

辛みが抜けないときはキャベツをかじれば落ち着く。

 

再度食べる、
やっぱりうまいビールがすすむ。

 

 

作り手によっては、

バナナリーフに巻く前に唐辛子を入れる場合もある。

 

今では食品会社が作っていて

セブンイレブンでネームが売られている。

 

私もカンチャナブリーに行った時、
セブンイレブンでネームを買ってビールのお供にしていた。

 

 

 

 

まして私は本家本元のネームを食べたのだから、
コンビニのネームとの違いは一目瞭然。

 

それでも癖になるネーム

残念ながら、日本へは持ってこれない。

 

必ず、空港検閲で引っ掛かり

罰金の対象にされること間違いない。

 

日本で私の奥様がネームを作ってくれたが、
本場の味を覚えているため違いが分かる。

 

 

 

しかし、美味しいと言わなければ

二度とタイ料理を作ってもらえない(苦笑)

 


[体験談]トムヤムクンの効力、中性脂肪値が下がった

 

 

世界3大スープの一つ「トムヤムクン」
タイ料理の代表でもある。

 

トムは煮る、ヤムは混ぜる、クンは海老

魚を使えばトムヤムプラ―、
鶏はトムヤムガイになる。

 

レモングラスを使った酸味ある味だ。

 

 

スープの中には、
レモングラス、こぶみかんの葉(バイマックルー)、

青唐辛子(プリッキーヌー)、タイの生姜(カー)、
紫玉ねぎ(ホムデン)、パクチー(コリアンダー)などが入り、
辛みと酸味と甘みを兼ね備えたすっぱ辛いスープである。

 

 

私がまだタイの彼女と付き合っていた当時、

単身赴任で千葉のアパートに住んでいた。

 

当然自炊などはせず、

いつも外食やコンビニの弁当を食べていた。

 

オフィスワークなので体を動かす事はなかった。

 

ある日、背中が痒くなりかいていた。
少しするとまたかゆくなる。

 

 

とりあえず、お風呂に入り体を洗ってみた。

 

すると、かいたところが

ミミズばれになり痒みが広がってきた。

 

次の日会社に事情を説明して、

近くの皮膚科に行ってみた。
「採血します」と言われ検査してもらった。

 

 

 

すると先生から、

「すぐに入院してください、
このままではいつ倒れるか分からない」
と言われた。

 

 

まさかの状態だが、
入院するわけにはいかず事情を話して、
とりあえず注射をしてもらい薬を出してもらった。

 

「必ず毎日来てください」と念を押された。

 

不規則な食生活で、

血液中の中性脂肪値やコレステロール値が高くなり、

赤血球が増加そのため血がドロドロになり、
心筋梗塞をおこし兼ねない危険な状態らしい。

 

 

その日の夜、
彼女から電話があり事情を説明したら、
明日アパートに行くからと電話を切った。

 

次の日の夕方仕事が終わってから、

彼女を近くの駅まで迎えに行ってアパートに向かった。

 

行く途中買い物をして色々な食材を仕入れた。

 

部屋へ着くと私の背中を見て、
「やっぱり」と頷き、
すぐに料理の準備に取り掛かった。

 

彼女は自宅から、

タイの食材や調味料を持って来てくれていた。

 

台所は彼女にまかせて私はテレビを見ていた。

しばらくして料理がテーブルに運ばれてきた。

 

トムヤムクンとヤムウンセン(春雨サラダ)、
体に良いからと言われすっぱ辛い味を堪能した。

 

 

 

 

それから3日間、

彼女は私のアパートで私の事を心配しながら

料理を作ってもらった。

 

病院へは毎日注射をしてもらいに通った。

 

1週間後病院へ行き採血してもらった時、

先生から「あれっ」と首を傾げられた。

 

なんと、中性脂肪値が平常に戻っているではないか。

 

 

 

 

注射と薬だけでこんなに早く治るとは思わない、
逆に先生から「どんな物食べてましたか?」
と尋ねられた。

 

「私は毎日トムヤムクンを食べていました」

「・・・・・・・・?」

先生は不思議な顔をしていた。

 

 

事実、医学の世界でも、

トムヤムクンが体に良い事を唱っている。

 

タイ料理が血をサラサラにしてくれたと、

私は確信している。

 

そして何より彼女の愛情が効いたと思う・・・・・・!

 


タイ料理のガイヤーンはタイのイサーンが本家本元

 

 

タイ料理の中でガイヤーンは有名である。

 

タイの東北部がガイヤーンの本元。

 

ガイは鶏、ヤーンはあぶり焼く、
独特のタレに絡めて炭火でじっくりと焼いている。

 

近づくと、独特の旨そうな臭いが食欲をそそる。

日本の焼き鳥屋のイメージだ。

 

 

 

サコンナコーンでも道路沿いの屋台で鶏一羽を、
縦半分に割り開いて一羽丸ごとマイピン(竹と針金で押さえる)で

炭火で焼いている光景をあちらこちらで見かける。

 

 

 

 

屋台により味は様々で焼き方も違う。

 

半分だけ焼いている店や鶏ももだけ焼いているところもある。

 

味付けは、ニンニクと白胡椒の実とパクチーの根を叩き潰し、
そこにシーユーカオ(白醤油)とオイスターソースと

ソープ―カオ(シーズニングソース)を混ぜ合わせ

旨味調味料で味を調えて鶏肉を漬けて置く。

 

 

 

最低でも3時間以上、

通常は一日タレに漬け込んで置くと味が全体に染渡り、

表面はパリッと、身はジューシーに焼きあがる。

 

タレ作りはオリジナルなので、
生姜やパームシュガーやホイシンソースや

レモングラスを入れる場合もある。

 

最近はクミンなどを使い黄色いガイヤーンも売られている。

 

一番の定番はカオニャオ(もち米)と一緒に食べるので、
何処の屋台でも、もち米がビニール袋に入って売られている。

 

  

 

 

ナムチム(付けダレ)に付けて食べるのもよいが、

そのままでも十分美味しい。

 

屋台では選んだ鶏を

その場で中華包丁で食べやすい大きさに切ってくれる。

 

切らないで持ち帰る場合はその旨を言えば、

竹と針金から鶏を外して袋に入れてくれる。

 

 

鶏半分の大きさ(2~3人分)と

もち米があればそれだけでお腹は満たされる。

 

何より安い、

もち米は10バーツ(35円)半分の鶏焼きは150バーツ(525円)
この値段で、大人二人には十分な量である。

 

 

そこにソムタム(青パパイヤサラダ)と

ビールがあれば、何も言う事はない。

 

癖になる旨さと香り、

臭いに釣られて思わず買ってしまう。

 

私がタイに滞在しているときの半分以上は

このガイヤーンにお世話になっている(笑)

 

日本でも、

私の奥様が作るガイヤーンはタイの屋台以上に旨い・・・・・
という事にしておこう。


タイ料理に欠かせないクロックとサーク

 

タイの家庭に必ず置いてあるクロックとサーク、
タイの屋台でもほとんど使っている。

 

トントントントンと心地よい乾いた音が聞こえてる。

 

 

 

クロックとは日本で言えば「臼」みたいなもの、

サークは重たい木で作られたすりこぎの棒に似ている。

 

タイのイサーンが原産地の、

茶色い素焼きの物がほとんどである。

材料が飛び散らないように底が深い。

 

クロックには種類がある。

 

イサーンで作られている茶色い素焼きの物を

クロック(臼)ディン(土)パオ(焼く)という。

 

 

 

 

木製の物はクロック(臼)マイ(木)

 

 

石の物はクロック(臼)ヒン(石)と言い

花崗岩で出来ていて、

チョンブリー県のアンシラー産の石が有名である。

 

 

大きさも様々で用途に合わせて使い分ける。

 

ナムチム(タレ)を作る場合は石のクロックで小さ目の物、

サークも石の棒で作ると、

材料が細かく砕けてミンチ状になりやすい。

 

 

ニンニクと唐辛子を入れ細かく砕く、
そこにナンプラーとココナッツシュガーを加える、
大きめのスプーンでかき混ぜながら味を調えると、
美味しいタレが完成する。

 

木で出来ているクロックは、
屋台などでは縁起の良い木が使われる。

 

 

一般的にはタマリンドの堅い木が使用されるが、

手入れが大変で洗った後に乾きにくい事や

食材の臭いが残る事やかびなどが生えやすい事などで、

あまり使われなくなってきている。

 

石のクロックの場合

大きいものは重く持ち運びが大変である。

 

そのため、主流になっているのが

素焼きの茶色いクロックディンパオ
私の奥様も愛用している。

 

 

タイ国内であれば100バーツくらいで手に入るが、

日本で購入すると3.000円以上はかかってしまう。

 

サークもタイでは100バーツくらいで買える。

 

「ただいま」と帰ってくると台所から、

トントントントンと聞こえてくる。

 

ソムタム(青パパイヤサラダ)を、

長いお玉みたいなスプーンで

クロックの中で器用に混ぜながら作っている。

 

 

もちろん、

奥様の手料理は最高に美味しい・・・・・はずだ!

 


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