初めてのタイが初めての結婚式


 

私は今までに、国外に出たことがない。

そして、結婚式も挙げたことがなかった。

 

初めての結婚式は、

タイのサコンナコーンで挙げることになった。

 

日本と違うタイの田舎の儀式の様子をまとめてみた。

 

 

 

 

タイの結婚式への準備



お金は奥様にお願いして、

タイの弟のところに振り込んでもらった。

 

式の日取りは、
私たちが日本で籍を入れた日に合わせ2月3日に決定。

 

準備はタイの親戚にほとんどまかせてある。

 

実家のあるサコンナコーンには、

1月31日に着いた。

 

夕方の到着だったため、
事前に用意してもらったアパートメントへチェックイン。

 

 

荷物を置いて実家へ挨拶に行き、

今後の段取りなどを打ち合わせする。

 

私は言葉がわからないので、

すべて奥様におまかせ。

 

この日は長旅の疲れもあり、
早めに切り上げアパートへ戻り爆睡した。

 

 

 

タイ上陸2日目

 

 

日本からは、

結婚式に必要な物は何一つ持ってきていない。

 

そのため衣装はレンタルしなければならない。

実家から車で5分くらいのところに貸衣装屋がある。

 

奥様はタイ舞踊でよく見かける

金色のドレスをレンタル。

 

私はタイの国王が来ているような

詰襟がある金色のスーツに、
黒いパンツを選んでもらった。

 

 

奥様のメイクも込みで、

全部で6.000バーツ(約2万円)1バーツは3.3円

激安でたすかる(笑)

次に爪を切りに行く。

 

 

 

 

日本では見かけないが、

タイでは爪切り専門店がある。

 

マッサージとセットになっていたり、

美容室で行っていたりする。

 

なんと、免許がないとできないらしい。

 

私たちは近くの美容室でやってもらった。

 

洗面器にお湯を入れ、

足を丁寧に洗ってもらい、

しばらく両足をお湯の中につけておく。

 

 

その間、手もお湯で洗ってもらい爪切りが始まる。

 

特殊な形の爪切りで、

ペンチを小さくした感じの切れ味の良いものだ。

 

爪の回りの皮もきれいに取り除いてくれる。

 

最後にやすりをかけて形を整え、

クリアーなマニキュアを塗って完成。

 

足も片足ずつ爪を切ってくれる女性の

太ももにのせてやってもらう。

 

足のかかとの角質もカットして、

軽石でこすって落してもらう。

 

なんとも気持ちがいい。

 

 

最後にクリアーマニキュアをぬって仕上がった。
奥様はネイルに時間がかかるらしい。

 

その間私は外に出て、

近くの売店でアイスコーヒーを買い一服。
このアイスコーヒーが滅茶苦茶あまい・・・(笑)

 

奥様のネイルも終わり、

二人合わせて750バーツほど、

3.000円でおつりがくる

残りはチップとして渡す。

 

 

お腹がすいたので近くの食堂へ、
タイの食堂はすべてオープンだ。

 

テーブルの上には、

フォークとレンゲ風アルミのスプーン、

砂糖、唐辛子、酢、ナンプラーが

どこの食堂にも置いてある。

 

まずはビールでのどを潤す。

 

青パパイヤサラダ(ソムタム)と、

そうめん(カノムジーン)

鳥焼き(ガイヤーン)をたのむ。

 

 

来るときは、

親戚の車に乗せてきてもらったが、

帰りは自分たちで帰るしかない。

 

タイには便利なソンテウ(乗り合いトラック)がある。

 

小型トラックの荷台を改造し、

向いあわせに長い椅子が設置してある。

 

手をあげると、

どこでも乗せてくれるし降ろしてくれる。

 

ソンテウに乗り、

アパートの近くで降ろしてもらう、

なんと一人10バーツ。

 

この街のすべてが安い、

そして居心地がとても良い。

 

 

 

結婚式前日

 

本日は、朝早くからお寺へ行く。

 

 

 

お坊さんたちに朝食をお供えするため、

花やろうそく、くだものを用意して、
特別に作ったおかずやごはんを持って行った。

 

 

タイではお寺は重宝されていて、

お坊さんは生きた仏様とされているらしい。

 

日本では、

仏様というと死んだ人を想像するが、

タイは仏教の祖ブッタの事を意味してる。

 

実家の父親は、

すでに亡くなっていてこのお寺に眠っている。

 

奥様の姉夫婦と近所の人たちと、

ピックアップトラック2台で移動。

 

私は荷物と一緒に荷台に乗り込む。

 

お寺の中には高さ10m以上はありそうな、

黄金に輝く仏像があぐらをかいで座っていた。

 

お坊さんから私たち二人の、

幸せや健康などお祈りしてもらった。

 

私も仏像に手を合わせ、

永遠のしあわせをお願いした。

 

 

お寺の本堂を後に、

敷地内にある奥様の父親のお墓へ行き、

手をあわせご挨拶。

 

「はじめまして、

日本からきました奥様の旦那です、

今後とも見守っていてください。」

 

 

 

敷地内はかなり広い、至る所に神様がいる。

 

鳥がさえずり、犬やねこが自然に過ごしている。

敷地の中ほどには大きい池があり、
何とものどかな場所だ。

 

 

実家へ戻ると、

明日の結婚式の準備で大忙し。

 

大きいテントやステージの設営、

椅子やテーブルのセッティング、
アイスボックスや調理器具の運搬、

食器の点検、調理場の設置と・・・

 

 

 

暑い中大勢の人たちが手伝ってくれている。

私は正直身内だけで

行うものだと思っていたが違っていた。

 

かなり本格的なイベントらしい。

 

明日の結婚式が、

どういうことになるのか想像できない。

期待と不安で複雑な心境である。

 

 

結婚式当日

 

 

いよいよ結婚式の本番の日がやってきた。

 

 

早朝5時に近くの貸衣装屋に行き、

私はレンタルしていたスーツに着替えた。

奥様はきれいにメイクされ

着付けをしてもらい二人で実家へ戻った。

 

実家の中にはバナナリーフで大きな仏塔が作ってあり、

仏塔の頂から東西南北へと、
カラフルなテープが吊り下げられ、

仏塔には無数の糸がまかれお金が結ばれている。

 

 

仏塔の前には、

縁起の良い食べ物や果物が置かれ、
仏塔を背に私は右へ正座で座り左側に奥様は横すわり。

 

正面右側に進行役がマイク片手に立っていて、
その横には昨日行った、

お寺のお坊さんたちが座っていた。

 

お坊さんはあぐらをかいて座っている。

 

結婚式は8時30分に進行役の合図でスタート。

 

二人の馴初めや、奥さんのこの街での、

学歴や職歴などの紹介があり儀式が始まる。

 

進行役のマイクからは、

外へスピーカーから大音量で聞こえている。

 

私の右手は、

胸のあたりで肘を折りまげて上げている。

 

 

左の手にはもち米とゆで卵を握っている。

 

奥様も同じスタイル

 

そこに来場した人たちが、

白いひもを二人の左手にそれぞれ結び付け、

ご祝儀を置いていく。

 

これが延々と続く。

 

私の左手は白いひもが包帯のように結びこまれていく。

 

 

2時間くらいで儀式が終わりお坊さん達を見送って終了。

 

 

足がしびれて立てない・・・( ノД`)シクシク…

 

 

無事、儀式が終わり宴会のスタート。

 

各テーブルへ朝早くに作った料理や、

冷たい飲み物が振舞われる。

 

 

大勢のボランティアが忙しく、

料理や飲み物を運んでいく。

 

私たちも、

親戚一同で記念写真を撮ってから、

各テーブルへ挨拶まわりをした。

 

私は初めて会う人たちばかり。

 

挨拶が終わり少し休憩。

 

2階の部屋で1時間くらい休み、

また会場へ顔を出す。

 

次から次へと来る来場者に、

私たちもへとへとになりしばしの休憩。

 

 

すると大事なお客が来ていると、

呼び出され行ってみると、

サコンナコーンのムアン市長が来ていた。

 

 

なんで!?

 

奥様に後から聞いた話によると、

以前、父親が商売で成功していた時期に、

この街に尽力を尽くしていて、

その頃の市長を面倒見ていたらしい。

 

 

市長との挨拶も終わり、

一旦アパートへ戻りシャワーを浴びて着替えた。

 

夕方に実家へ戻ってみると、

軍隊の人たちや市の役人など、

偉い人達が来てくれていた。

 

裏庭では、

近所の人たちが料理を作ったり、

材料を仕込んだりと大忙し。

 

顔と名前を覚えるのが大変で、

私は顔を合わせるたび「サワディーカップ」と

ワイ(合掌)をしていた。

 

 

夜になっても来場者は後を絶たない。

気温もまだ28度くらいあると思う。

 

私も冷たいビールをもらい、

料理をつまみ食い全部がうまい。

 

タイへ来てからは、

ずっとタイ料理ばかり食べているが、

私には口に合うものばかリだ。

 

多少の辛さは慣れているので、

激辛以外は大丈夫。

 

 

夜10時頃、

みんなに挨拶を済ませ、

一足早く帰路へとついた。

 

 

皆さん、ありがとうございました。

(コップンマークカップ)

 

 

 

 

 

結婚式翌日

今日も宴会は続く。

 

昨日は疲れもあり、

アパートに戻りバタンキューだった。

 

カラオケは大音量で、

夜中の2時頃までやっていたらしい。

 

よく近所からクレームが

来ないものかと冷や冷やしていた。

 

ところが、この地域ではお祝い事などは、
近所一体でやる風習があり、

誰一人として文句を言わない。

 

だから近所の人たちも、

毎日来てくれて楽しんでいく。

2日間は続くみたいだ。

 

 

ということは、

今日の夜もカラオケパーティーが始まるのか(笑)

 

 

今日も朝早くから近所の人たちがボランティアで、

前日の後片付けや食器洗い、
料理を作ったり材料を仕込んだりしてくれている。

 

 

 

 

私が小さかった頃、

近所でもまだこのような風習があった。

 

特に農家では田植え前と稲刈りの時期、

近所が集まり朝早くから宴会していた事を憶えている。

 

どこかなつかしい情緒がここには残っている。

 

顔と名前も少しづつ覚えてきた。

 

私と顔を合わせると、

向こうから「おはよう」とか、

「ごはん食べた」とか声をかけてくれる。

 

言葉が通じないもどかしさをひしひしと感じた。

 

この日の来客はまばらで、

私たちものんびりとくつろいでいた。

 

日陰に居ると心地よく蒸し暑さを感じない。

 

ただ照り付ける太陽はじりじりと

33度まで気温は上がる。

 

ここにきて毎日同じ天気と気温。
雨は降らない。

 

 

夕方になると定番の蚊がやってくる。

 

私は日本から虫除けを持参してきたので、

体中すべてに吹きかける。

現地の人は誰一人として使わない。

 

手や足に蚊が止まればパチッとたたく、
多分慣れているのだろう。

 

多少気温も下がり、

過ごしやすくなった頃、

奥様の同級生たちがやってきた。

 

 

昔の話で盛り上がっている様子。

 

言葉はわからないが雰囲気で何となくわかる。

奥様はうらやましがられている感じ、

みんなが「私にも日本人を紹介して」と騒いでいる。

 

 

どうやら日本人は理想らしい。

 

同級生たちと別れ、

近所の人が少しづつ集まりだした。

 

カラオケの時間らしい。

 

私はうるさいのが苦手なので、

親戚のバイクに乗っけられて先にアパートへ帰る。

 

おつまみを分けてもらったので、

冷たいシャワーを浴びてビールでのどを潤す。

 

1日に2~3回、

水のシャワーを浴びる癖がついてしまったようだ。

 

部屋にはエアコンがあるので快適に過ごせる。

 

一通りの結婚式のイベントが無事終わり、

安堵感に満たされ、
奥さんが帰宅する前に寝てしまったようだ。

 

 

めでたし めでたし・・・・

 


ページの先頭へ