自然あふれる北タイの生活


 

 

初めてタイを訪れ、

私の奥様の実家のサコンナコーンで結婚式を挙げ、

一段落していた時、私の奥様のお兄さん(3番目)から、

今度、私の家に遊びにおいでと誘われた。

 

お兄さんは挙式が終わった次の日には、

自宅のあるチェンマイへと帰って行った。

 

チェンマイ観光もしてみたいと思い、

1週間後行くことになった。

 

 

サコンナコーンから親戚の車に乗せられて

ウドーンターニー空港へ向かった。

 

空港で親戚たちに別れを告げ、

ノックエアのプロペラ機でチェンマイへフライト。

 

 

 

約1時間でチェンマイに到着、

この日はホテルにチェックインして

チェンマイ市内を見て廻り食事をして戻ってきた。

 

 

次の日は、奥様の知り合いのガイドを頼んで

チェンマイの観光巡りに出かけた。

 

色々な寺院などを見て廻り、

夜には川辺で開かれるナイトバザールを見て楽しんだ。

 

 

 

少しの間チェンマイを楽しみ、

翌々日の昼12時発のファーン経由タートーン行きのバスに乗った。

 

お兄さんの家はチェンマイより北へ150km、

ファーンという街にある。

 

一人80バーツを支払い約3時間のバスの旅が始まる。

 

 

途中山岳地帯のコーナーが連続する道路を通り、

チャンダオの街で小休止、10分間の休憩のあと、

ファーン目指してバスが動き出す。

 

やっとファーンに着いた。

 

すでに奥様からラインで到着時間を知らせてあったようで、

お兄さんと娘が迎えに来ていた。

 

お兄さんのバイクの後ろに私が乗り、

娘のバイクの後ろに奥様が乗り、

ここから更に山に向かって9km奥にお兄さんの家がある。

 

のどかな田舎村である。

 

家の入り口には大きな木がそびえ立っていた。

 

門を入ると平屋のこじんまりした家、

離れのトイレと浴室があった。

 

庭は広くベランダが設けられている。

 

家の中には、もう一人の娘と奥さんのお母さんが居た。

 

挨拶を済ませ、

お兄さんが裏にライチ畑があるので連れて行ってくれた。

 

行く途中、道端に無造作にレモングラスが生えている。

 

 

柵のまわりにはゴーヤがツルを巻き付けて

小さいゴーヤが実っている。

 

その小さいゴーヤをもぎ取り袋に入れる。

カレーに入れると美味しいらしい。

 

広い山の斜面にたくさんのライチの木が生えている。

 

 

 

何人かの人がライチの木の手入れをしていて、

こちらに話しかけてきた。

 

私に日本から来たのか?
とでも言っているのだろう。

 

夕方になり、お兄さんの奥さんが仕事から帰ってきた。

 

「サワッディ―カップ」とあいさつ、

奥さんは私達二人を歓迎してくれた。

 

 

近くの店で買い物をして夜はプチ歓迎会。

私の奥様とお兄さんは昔話に花を咲かせている。

 

私は珍しい北タイ料理に舌鼓を打ちながらビールを飲む。

 

プチ宴会も終わりシャワーを浴びその日は深い眠りについたが、

夜中にお腹の調子が悪く催してきた。

玄関をそっと開け、離れのトイレに向かう。

 

電気をつけ便器に向かうがどっちが前か判らない、

急を要するのでとりあえず跨ぐ。

 

用を足した後、手桶を使い水を汲んで流す。

 

 

お尻を拭こうと思ったらティッシュがない事に気づく、

しょうがないので手桶を使い手で洗う。

 

拭くものは何もない、困った。

 

そのまま終わらせたおかげで、

パンツはビシャビシャに濡れてしまった。

 

どうも、タイのトイレは慣れない。

 

次の日奥様に事情を話したら大爆笑。

 

次からは、

ティッシュを持っていきなさいと怒られてしまった。

 

朝早く私達はまだベッドの中に居たが、

外から木を燃やしている臭いと

パチパチと燃えている音が聞こえてきた。

 

 

ゆっくりと起きて外に行くと、

奥さんとお兄さんは仕事に出かけた後だった。

 

ベランダには、ポットにお湯が入っていて

インスタントコーヒーが用意されていた。

 

ほかに、揚げパンとおかゆとフルーツが置いてあった。

 

私の奥様の話によると、

お兄さんの奥さんはミャンマー人でタイのIDを持っていない、

そのため実家にも連れて行くことが出来ず、

親兄弟に合わせる事も出来ないらしい。

 

 

タイの人はミャンマーに対して良い印象を持っていない。

 

そのため私達が会いに来たことが大変な喜びだという。

 

奥さんはミャンマーでも山の方に暮らしていたため、

生活自体は決して楽ではなく自給自足的生活を送っていた。

 

お兄さんの家でも調理に使う燃料はすべてが薪と炭らしい。

 

 

 

 

最近になりシャワー(湯沸かし器)を取り付け、

やっとお湯が使えると喜んでいた。

 

 

このファーンの街は日中は暑いが夜は冷え込む。

とても、半袖ではいられない。

 

 

そこに水をためている浴槽から手桶を使い水を浴びる、

子供たちが体を洗うのが一番つらいと言っていたらしい。

 

夜になると奥さんの手料理が振舞われた。

 

もちろん、薪で作った料理だ。

 

タイ米をはじめ、ゴーヤの入ったスープ、

カノムジーンナンギョウ(カレー味のそうめん)

サイウァ(北タイのソーセージ)

パットパック(カイラン菜と豚肉の炒め物)

ラープムー(豚肉入りサラダ)など

私には超豪華料理だ。(アローイ・チン・チン)

 

 


 

お兄さんの家に居る間、

私と奥様はバイクを借りて色々なところに出かけた。

 

またお兄さんが休みの日には

遠くまで車で連れて行ってもらった。

 

お兄さんの奥さんは近くのファームで働いている。

 

中華系、ミャンマー系、タイ系と三つの国の人達の村の中にあり、

昔、ケシの栽培を国が禁止してから、イチゴ栽培等に切り替わった。

 

畑には、イチゴ、パーム、ライチが栽培されている。

 

山の上には中華系のお寺があり、
近所の人たちでにぎわっている。

 

私達は奥さんにファームを案内され、
色々と観て廻る事が出来た。

 

夕方に家に戻る途中近くの川辺に立ち寄り、

パックナームという空心菜に似た茎を摘み取った。

 

 

家に戻ると早速奥さんは夕食の用意をする。

 

夕食には、先ほど採ってきたパックナーム炒め、

そして、万願寺唐辛子を焼いて皮をむき
ニンニク、玉ねぎ、唐辛子で、
味を整えすりつぶしてごはんと一緒に食べる

 

ナーンプリックノム、これがまた旨い。

これだけでごはんが進む。

 

その他、ムーヤーン(豚の焼き肉)とスープ、

毎晩美味しい料理を作ってくれる。

 

朝早く洗濯をして、ごはんを作り仕事に出かける。

 

帰ってきたらすぐにごはんの用意、

洗濯物を畳んだりするのは娘、

本当に働き者の奥さんで子供たちがそれを手伝っている。

 

お兄さんの家の近くには天然の食材が沢山ある。
それを、食べる分だけ採ってきて調理する。

 

 

ガスや電気は使わずに薪で火を起こす。

 

決してお金がないからではなく、
自然と一緒に生活している。

 

必要な分だけ、必要な物だけ、決して無駄はしない。
それで家族みんなが幸せに暮らしている。

 

実に良い事だ。

逆に言えば羨ましい限りである。

 

夜になり、空にはきれいな星と大きく見える月

「この星や月は日本でも見れるのだろうか?」と、

当たり前の事をふと考る。

 


コメントフォーム

名前

メールアドレス

URL

コメント

トラックバックURL: 

ページの先頭へ