首長族(カレン族)の実態に驚いた


 

 

 

タイとミャンマーの国境沿いの、

山岳地帯に数多くの少数民族が暮らしている。

 

その中のカレン族が、

日本でも有名な首長族と呼ばれている。

 

私はタイの奥様のお兄さんが住んでいるファーンの街から、

ロットゥー(ミニバン)をチャーターして、
北タイ観光をした際にタートーンの首長族の村に寄ってみた。

 

 

 

 

250バーツ(675円)の入場料を支払い、

中に入るとどこかで見たことのあるおばさんが座っていた。

 

 

 

 

すると、「こんにちわ」と挨拶される。

 

 

えっ・・・・!?

日本のメディアに何度か紹介されている、

あのおばさんで片言の日本語をしゃべる。

 

通路を挟んで両側に沢山のお土産屋が並んでいる。

 

 

 

「いらっしゃいませ」「おみやげかっていって」と
日本語で話しかけて来て私を誘ってくる。

 

商売上手で観光客慣れしている。

 

建物は質素な藁葺き屋根の丸太小屋で、

その前に土産物を並べて売っている。

 

 

奥では機織りをしていて、

民族衣装の腰巻などが織られている。

 

写真を撮ると愛嬌良く答えてくれる。

若い娘や子供までも首が長い。

 

少し異様な姿に戸惑いながら、

「何故このような金色の輪を首に巻いているのだろう?」

と考えさせられた。

 

 

 

山岳地帯には野生のトラが数多く生息していて、

トラに襲われて命を落とす女性が絶えなかった。

 

そのため、急所である首を守るために、

金属の輪をはめるようになったという説や

他部族との争いから身を守るためとか、

他部族よりも目立つためとか色々な説があるが定かではない。

 

 

5歳頃から本人の同意のもとで首に輪をはめていく。

 

年齢と共に輪の数も増えていくので、

その重みで鎖骨が下がっていき首が長く見えるらしい。

 

日本の昔話の怪談「ろくろ首」じゃあるまいし、

首が伸びる事はないだろう(小笑)

 

 

実は、この村にいる首長族の多くは、

出稼ぎで働いていて元々ここには住んではいない。

 

ミャンマーの内戦により、

難民として逃れてきたカレン族。

 

異様な容姿がメディアに取り上げられ

世界的に有名になって行った。

 

タイ政府の観光地として首長族の村が何ヵ所か用意され、

そこに移住する人達には生活費が支払われる。

 

 

首長族のシンボルマークの輪に対しての対価である。

 

いわゆる首長族は商品、

機織りのシーンや写真撮影はコマーシャルである。

 

村の運営はタイの会社やある組織だったり、

実態は分からないが入場料は首長族の収入源ではない。

 

彼女たちは自分達が織っている織物や

お土産物の売り上げのパーセンテージが

生活費の一部になっている。

 

 


 

 

だから必死に売ろうとしている訳だ。

 

男性は首に輪をはめていないので、

生活のために出稼ぎに出ている。

 

 

ただしカレン族などはタイの政府から

国民として認められていないため、

自由に外に出る事が出来ない。

 

出稼ぎなどで出る場合は特別に申請をして、

許可証をもらわなければならない。

 

昔からその土地で暮らしている村とは違い、

すっかり観光地化された土地に

商品として暮らしているカレン族は、

どのような心境で生活しているのだろうか?

 

かなり、複雑な思いである。

 


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