伸るか反るか・・・


 

 

タイ人の彼女

 

私が単身赴任で千葉県で働いていたころ、
あるきっかけで宇都宮に住んでいる

タイの女性と知り合い付き合うようになった。

 

私自身まだ、

離婚の傷が残っていたので本気ではなく、
一人よりは女性がいた方が、

少しは寂しさを埋めてくれるような気がした。

 

 

当然、国の違い言葉の違いがあるが、

本気でないためあまり気にしなかった。

 

週末は、宇都宮で過ごす機会が多くなり、
彼女の友達(タイ人)も紹介され一緒に遊んだり、

食事をしたりして過ごした。

 

 

3年くらい続いただろうか?

 

突然彼女から、

「相談があるので」

と連絡がきたので週末に会う約束をした。

 

外国人の相談は大概

「お金」だろうと、
少しうんざりしていた。

 

 

周りの話で多くの人がタイの彼女に騙されて、

お金を渡した瞬間に、

タイに帰って行ったり
独身を装って結婚していたり、

散々貢いで「さようなら」のパターンを聞いていた。

 

 

私自身も他人事ではないので、

十分気を付けなければならない。

 

気を引き締めていざ宇都宮へ

 

 

 

思いもよらぬ相談

 

宇都宮のいつも行く、
タイレストランで待ち合わせた。

 

すでに彼女は来ていた。

 

軽く食事を済ませ、
彼女の相談事を聞いた。

 

お金の話かと思っていたがどうやら違っていた。
ビザの話である。

 

彼女の話によれば色々事情があり、
10年以上日本に住んでいるらしい。

後、5カ月でビザが切れ、
タイに帰らなければならない。

帰ったらもう日本には来れない。

 

更に詳しく事情を聴くと、
大きな声で言えないが現在のビザのために
毎月お金を払っているらしい。

 

 

今回は、私の存在がビザの更新を妨げている。

 

いままでは面倒見てきたが、
これからは今の彼氏に面倒見てもらえということだ。

 

困った・・・・
思いもよらぬ相談だ、

少し考えさせてほしいと宇都宮を後にした。

 

 

 

 

 

 

伸るか反るか

 

千葉県に帰ってから、考える日々が続く。

 

私自身、結婚は全然意識していない。

 

単身赴任中に知り合った彼女、

まして、タイの人。

 

当然行く行くは、
実家のある仙台に帰ることとなる。

その時はもしかしたら別れるかもしれない。

 

遠距離恋愛では長く続かないだろう。

 

悪く考えればビザのために、

私を利用しているかもしれない。

 

 

考えても考えても答えが出てこない。

 

知り合った当初から今までを振り返ってみる。

 

人間的に悪い印象はない。

正直に隠さず私からの質問には答える。
周りのタイ人友達の評判も悪くはない。

 

 

今後、私に新しい彼女ができるだろうか・・・

 

時間だけが過ぎていくが、

彼女のビザが切れる日も近づいてくる。

 

「結婚を前提に付き合って下さい」

のほうがまだ時間に余裕がある。

 

いきなりビザが切れるので結婚してと言っている。

もう一度、
宇都宮に行って詳しく話を聞いてみよう。

 

 

 

決断

 

気持ちの整理が出来ぬまま宇都宮へ向かった。

 

いつものタイレストランで待ち合わせ。

 

その際にパスポート、
身分証明書のコピーを持ってきてもらった。

 

私自身まだ、
完全に彼女を信用していなかった。

そして私には、
お金も財産もない事を念を押しておいた。

 

私の住んでいる仙台、

そして私の家族、いざ結婚となれば、

みんなと生活しなければならない事を話した。

 

 

そして彼女から
「別にお金がなくても二人で頑張りましょう」と・・・・・

 

決断する時が来た。

 

「私も頑張るので、よろしくお願いします」

 

夢にも思わなかったタイの女性との結婚、
今後どうしていけば良いのか想像もできない。

 

 

日本とタイの国際結婚

道のりは険しい・・・だが、

乗り越えなければ彼女を守れない。

 

 

 

親不孝者

 

お正月に彼女を連れて仙台に帰省、
実家の母親には彼女を連れていく事は話してある。

 

久々に家族や兄弟達が集まって盛り上がっていた。

 

タイの彼女と云うことで、

みんなから色々と質問攻めにあっていた。

 

 

仙台弁が聞き取りづらいため、
私が通訳?する。

 

実家でのんびりくつろいでいた時、
母親から

「あの彼女とは付き合っているだけなの?」と聞かれ
私は「結婚するよ」と答えた。

 

母親の顔つきが変わった。

 

なんで「タイ人」なの?

 

お前は騙されているんじゃないの?

と母親は猛反対、

私は「もう、決めたことだから」と軽く流す。

 

何故か母親は泣いていた。

 

 

 

入籍

 

正月休みも終わり、
いつもの日常へと戻った。

 

会社の社長に結婚する旨をはなし、
近々仙台に帰らなければならない事も相談した。

 

仕事の合間を見て、

タイと日本の結婚に必要な書類を揃えていく。

 

彼女にも、

準備できる書類は早めに用意してもらう。

 

日本で入籍してから、

次にタイ国での入籍の段取りで動く。

 

しばらくして彼女の書類がそろったので、

仙台の区役所に婚姻届けを提出、

受理されて晴れて二人はめでたく結婚した・・・・が
戸籍謄本に、

二人の結婚の事実記載されるまで2~3日かかる。

 

 

次はタイ国へ婚姻届けを出さなければならない。

 

これが、想像以上に大変である。

 

そのあとに入国管理局へ行き、

日本人の扶養(結婚ビザ)の申請となる。

頑張るしかない。

 


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