タイを大きく分けると
北部、東北部、中部、南部と四つに区切られる。
その東北部をイサーンと呼ぶ。
イサーンには多彩な料理があり、
刺激的な味付けが有名である。
蒸した長粒種のもち米を主食として、
食事に生野菜やハーブを必ず盛り合わせて食べる。
数あるイサーン料理の中にネームがある。
ニンニクを潰して、塩、白胡椒少々、
洗って乾かしたもち米と一緒に
小さいクロックヒン(石の臼)で細かく砕く。
豚の肩ロースを包丁でミンチ状に叩き、
豚皮をスライスしてすべて一緒に混ぜる。
ステンレスのボールの中に入れて、手で揉み続ける。
20~30分くらいで、
ミンチ状の肉が弾力のあるソーセージのようになる。
それを食べやすい大きさに分け
バナナリーフ(バナナの葉)に巻いて
一晩ねかせて発効を促す。
食べるときはそのままでも大丈夫だが、
炭火でこんがり焼くと更に美味しさが増す。
私の奥様の姉の子供が私達に作ってくれた。
気温が低いとうまく作れないらしい。
イサーン独特の
乾燥した暑さでないと美味しく出来ない。
私達のために一生懸命手でこねている。
その間タイの七輪に炭をおこしていた。
出来上がると炭火でさっと焼いてくれて
キャベツと紫玉ねぎのスライス、
タイ生姜、タイ唐辛子と一緒に出してくれた。
一晩おいてないので発酵されず酸っぱさはない。
独特の香ばしさと深みのある味、
豚の皮が良いアクセントになり口の中で混じり合っていく。
そこに千切りにした生姜と
紫玉ねぎのスライスを口の中に放り込む。
「おぉ~」
激旨である。
刺激が欲しいときは唐辛子をかじる
激旨の激辛で口の中が燃え始めた。
そこにタイのリオビールを流し込んで口の中を鎮める。
あ~、辛い
この唐辛子はタイで有名な
極辛プリッキーヌーである。
でも、また食べたくなる不思議な味だ。
辛みが抜けないときはキャベツをかじれば落ち着く。
再度食べる、
やっぱりうまいビールがすすむ。
作り手によっては、
バナナリーフに巻く前に唐辛子を入れる場合もある。
今では食品会社が作っていて
セブンイレブンでネームが売られている。
私もカンチャナブリーに行った時、
セブンイレブンでネームを買ってビールのお供にしていた。
まして私は本家本元のネームを食べたのだから、
コンビニのネームとの違いは一目瞭然。
それでも癖になるネーム
残念ながら、日本へは持ってこれない。
必ず、空港検閲で引っ掛かり
罰金の対象にされること間違いない。
日本で私の奥様がネームを作ってくれたが、
本場の味を覚えているため違いが分かる。
しかし、美味しいと言わなければ
二度とタイ料理を作ってもらえない(苦笑)