井の中の蛙 タイを知らず

 

 

 

 

思いがけぬ「チャンス」

 

タイの奥様と、日本で生活してて
ずーと 気になってた事がある。

 

私の親戚や友達には奥様を紹介してきたが、

私はタイの親兄弟や親戚たちにあった事がない。

 

私の奥様にタイの母親から、

「日本の息子は いつ来るのか?」と
何回も連絡が来ている。

 

結婚してから、

早くタイに挨拶に行かなければと思いつつも、

お金もない時間もない休みも取れない状態で、
5年の月日が過ぎようとしていた。

 

 

私は当時、運送関係の仕事をしていたので、
365日24時間体制で交代で休みを取っていた。

 

もちろん、

長期休暇はシフトの都合上無理な話である。

 

そんな中、忘れもしない

 

「東日本大震災」

 

会社は大打撃を受けた。

 

しばらくして会社は、

資金繰りがうまく行かず倒産してしまった。

 

ただ経理担当からは、

「当月分の給料と翌月の給料は

保証するので安心してください」と

約束されたので少しは気持ちが楽になった。

 

「この機会しかない」

と思い早速タイに行く準備をした。

 

新年明け早々の話である。

 

いざ、タイ王国へ。

私は今まで海外に行ったことがない。

 

もちろんタイという国も知らない。

 

イメージは、暑い国 仏教国 途上国

この時点では正直、日本よりも遅れている国

という考えを持っていた。

 

右も左もわからない状況で、
旅行代理店に奥様と二人で行って

色々打ち合わせを行った。

 

奥様は色々な国に行っている

ベテランで私より海外には詳しい。

 

奥様のアドバイスを受けながら

スケジュールを組んでいく。

 

行きと帰りだけのフライトのみで、
泊まるところやタイにいる間の事は

奥様におまかせした。

 

仙台空港~成田空港~スワンナプーム空港

帰りも
スワンナプーム空港~成田空港~仙台空港

すべてANAで予約した。

 

ノービザ最大の29日の滞在である。

 

奥様は何度もタイに行っているので、
準備は手慣れたもので、

小さいキャリーバックひとつのみ。

 

私は初めてなので、
大きいスーツケースにこれでもかというくらいに
私自身必要な物を詰め込んだ。

 

すると奥様から、

「なんで こんなに持っていくの?」と怒られ、

重量制限があるのでもっと軽くしなさいと整理される。

 

私は不慣れなので、
スマホは使えるのか、
洗面用具は何を持っていけばよいのか、
虫除けはいらないのか、
充電はできるのか、
長袖はいらないのか、など

用意周到を期して取りかかったのだが・・・

 

奥様から、

これは持っていけない、
これはいらないなど、
かなりのものが不必要となり
私の持ち物は大分減りコンパクトになった。

 

さすが、ベテランと初心者

奥様にすべて従うしかない。

 

 

いよいよ出発の日、

仙台空港15時10分発
成田空港16時15分着

ANAの国内線
国内線は何度か乗ったことがあるのでまだ余裕だ。

 

そして、

18時10分発スワンナプーム空港行きのチェックイン、

手荷物以外は自動に引き継がれるので楽である。

 

少し時間があったので軽く食事をすました。

最後の日本食である。

 

いよいよ出国審査、
ここからは未知の世界。

 

奥様から予備知識を教えてもらっていたので

無事に通過できた。

 

少しずつ、心臓が高まってきた。

 

 

初めての海外、初めての国際線、

機内に着座しひとつ深呼吸、

いよいよ・・・

タイに向けフライトした。

 

約7時間の空の旅、

機内のビデオに「おしん」があったので

見てみたが落ち着かない。

 

眠いけど寝れない。

少ししたら、機内食がでてきたが
おなかがすいてるようで空いてない。

 

なぜかすべてが上の空。

 

そうこうしてる間にアナウンスが、

「まもなく スワンナプーム空港に到着します、
シートベルトをしめてください」

 

 

 

23時05分 タイバンコク

スワンナプーム空港到着。

 

 

初上陸

 

ついにやってきた。

 

奥様の生まれ育った国、私の未知なる国
人生初の海外、右も左もわからない

言葉も分からない。

 

頼れるのは奥様だけ、

入国審査を通過しなければ入国できない。

 

いざ、入国審査(イミグレーション)へ。

 

ものすごい人、

中国の団体やインド系の人たち
さらに、アメリカやロシア、ヨーロッパなど・・・

外国人用のゲートはどこも長蛇の列、
タイ人用はさほどでもない。

 

30分くらいかけてようやく自分の番が来た。

 

心臓が高鳴る、ドキドキ・・・・
出入国カードとパスポートを渡す、

検査官がじろりと私をみて、目と目が合う。

 

「・・・・・」

 

スタンプがバンと押され、

出入国カードの出国用の半券が、
パスポートにホッチキスでパッチンと閉じられた。

 

無事、入国完了!

 

奥様はずいぶん待っていたようで疲れた様子だ。

 

それから、荷物を受け取りに行き
トイレでタイバージョンに着替えた。

 

空港には奥様の兄弟や親戚たちが迎えに来ていた。

 

とりあえず、

「サワディーカップ」と、

両手を胸の前に合わせてご挨拶。

 

初顔あわせ、

ちょっと緊張ぎみの自分であった。

 

 

タイの神様、 

これからしばらくお世話になります。

無事に日本に戻るまで、よろしくお願いします。

 


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